映画『ガイアナ人民寺院の悲劇』はカルト宗教の理想と現実を描いている

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ナイトメア・シンジ

大学時代に現劇団の前身「スパースターノイローゼ」旗揚げ。 1989年劇団「営業二課」設立。 1997年松竹シナリオスクール卒業。 フェニックス掌編文学賞入賞。 2009年8月から2017年2月まで中央林間カルチャースタジオ演技講師に就任。 現在は映画脚本、舞台演出、脚本、ラジオドラマ制作、リーディング講師など精力的に活動中。 演技指導はマンツーマンを基本に行っている。 日本劇作家協会会員。 劇団営業二課主宰。 横須賀まなび館演技講師。

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ホラーの王子様(ナイトメアリュウタ)の兄貴分で脚本家・演出家・演技トレーナー・映画評論者の4つの顔を持つナイトメアシンジです。

今日、ご紹介するのは、

カルト宗教映画「ガイアナ人民寺院の悲劇」です。

前回、ご紹介しました映画「悪夢の惨劇」のモデルになったカルト宗教集団自殺事件をドキュメンタリー風に描いている映画です。

カルト宗教映画「ガイアナ人民寺院の悲劇」は1980年に制作されました。

(ガイアナ人民寺院のカルト宗教集団自殺事件は1978年に起きたので、わずか2年後に制作された)

パナマ・メキシコ・スペインの三国合作映画で上映時間は95分。

監督はルネ・カルドナ・Jr。

(他に映画「暴行魔ゴリラー」(1969)とか色々監督作品ありますが、筆者はどれも未見。ちなみに映画「暴行魔ゴリラー」はメキシコ産映画で”動物園から拉致してきたゴリラの心臓を白血病の青年に移植したら、大変な事になっちゃった”お話。カルト映画だな!)

主演のカルト宗教教組ジョンソン役にスチュアート・ホイットマン。

(アクション映画「ビックマグナム77」(1976)の妹の死を追う刑事やトビー・フーパー監督のホラー映画「悪魔の沼」(1976)の保安官役が印象的)

では、

カルト宗教映画「ガイアナ人民寺院の悲劇」のあらすじをご紹介します。

カルト宗教映画「ガイアナ人民寺院の悲劇」あらすじ

アメリカ。

カルト宗教教組のジョンソンは”アメリカは麻薬や暴力と腐敗にまみれている。魂の浄化と真の救済のため、神の子の育つ、約束の場所へ移住しよう”。と信者達に呼びかけ、南米の社会主義国家ガイアナに27000エーカーもの土地を提供してもらい 、人民寺院ジョンソンタウンを建設する。

だが、900人以上にも達した永遠の楽園は”絵に描いた餅”で、信者たちは窮屈な部屋に押し込められ、朝から晩まで農作業を強いらされ、食事もままならない。

飢えに堪えかね、食料倉庫に忍び込んだ子供たち3人を公開で罰したりして、教組のジョンソンは徹底した独裁体制と徹底したマインドコントロールで信者達を縛り付けてゆく。

元信者らの訴えで、アメリカ国内で批判を浴びている事を知ると、ジョンソンは信者らにアメリカに住む家族や親戚演者に”私達は幸せです”との手紙を書くように強要する。

そして、外部からの情報が阻止すため、すべての手紙を検閲するようになる。

アメリカ合衆国下院議員のオブライエン議員は国内世論を受け、ジャーナリストや信者の家族を伴い、視察調査団を結成し、ジョンソンタウンに向かう。

コミュニティを視察し、オブライエン議員はジョンソンと会談する。

”出るも入るも自由”と言うジョンソン。オブライエン議員は信者らに「アメリカに帰国したい人は、遠慮なく申し出てください」と呼びかけるが、誰も返事をしない。

コミュニティに宿泊したいという視察団の申し出を断るジョンソンと信者達。

一時的に、ジョンソンタウンから出ることになった視察団に、若い女性が「ここから私たちを連れ出して!」と書かれたメモを託す。

翌日、再びジョンソンタウンを訪れた視察団は、今度はジョンソンに不満を持ち、監禁されている人々を発見する。

オブライエン議員は信者を集めて、再び「アメリカ本土へ帰りたい者は我々と一緒に帰ろう! 」とジョンソンタウンから脱出したい人を募ると、信者たちが殺到。ジョンソンは脱会を許可する。

脱退申し出信者達と視察団は空港へ向かう。しかし、ジョンソンは脱退希望者の中に暗殺者を1人同乗させ、視察団が飛行機に乗り込もうとするところで、潜んでやってきた別の信者たちとオブライエン議員やジャーナリスト、脱退希望者を銃で乱射、撃ち殺す。

報告を受けたジョンソンは、予行練習をしていた白夜計画(ホワイト・ナイト)を実行に移す。

ジョンソンは残った信者を集めて言う。

「オブライエン議員やマスコミどもは天罰を受けて死んだ。まもなく、ここジョンソンタウンには、CIAの陰謀により軍が攻めて来る。 我々は死ぬより辛い辱しめを受けるより誇りある死を選ぼう」

信者たちは列に並び、子供らを優先的に、コミュニティの医師が調合した毒物入りジュースを無理矢理飲まされる。

次々と毒物ジュースを飲まされ、倒れていく信者達。

ジョンソンは信者たちの死体の山を見届けた後、拳銃自殺をする…。

カルト宗教の末路を描いた映画「ガイアナ人民寺院の悲劇」

映画はドキュメンタリーのごとく淡々と進んでいく。

関係者に配慮して、名前などは変えてあるが、主役のスチュアート・ホイットマンは実在したジム・ジョーンズ教組にそっくり。

”私は与えたものを奪うことが出来る”

と劇中でジョンソンが言います。

自分を神だと言い、神のごとく振舞う教組に翻弄され、死んでいく人々が本当に900人以上いたことに驚きを隠せません。

たくさんの人が無理やり、残りは急かされて、毒を飲みました。

死の間際に信者らに選択権はなかったのです。

ガイアナで家族を亡くした元信者が別の映像で言ったことが筆者の頭に残っています。

”あれは集団自殺ではない、集団殺人だ”

映画の亡くなった信者も、ニュースで見た亡くなった信者も、なぜか、全員、うつぶせで絶命しています。

シアン化合物を摂取すると、とても、もがき苦しむそうです。

仰向けになっていないすべての死体。

教組の言う通り、天国に行けたのでしょうか?

断末魔の表情で亡くなっていないことを祈るばかりです。

カルト宗教映画「ガイアナ人民寺院の悲劇」を最後まで読んで下さった読者様へ

皆さん、脚本家・演出家・演技トレーナー・映画評論者の4つの顔を持つナイトメアシンジです。

カルト宗教映画「ガイアナ人民寺院の悲劇」を最後まで読んでくれた読者様コチラの記事も併せて読んでみて下さい→カルト宗教団体の悲惨な事件にヒントを得て作られたであろう映画が『悪夢の惨劇』

(ナイトメア・シンジ)

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大学時代に現劇団の前身「スパースターノイローゼ」旗揚げ。 1989年劇団「営業二課」設立。 1997年松竹シナリオスクール卒業。 フェニックス掌編文学賞入賞。 2009年8月から2017年2月まで中央林間カルチャースタジオ演技講師に就任。 現在は映画脚本、舞台演出、脚本、ラジオドラマ制作、リーディング講師など精力的に活動中。 演技指導はマンツーマンを基本に行っている。 日本劇作家協会会員。 劇団営業二課主宰。 横須賀まなび館演技講師。

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