
ナイトメア・シンジ
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脚本家・演出家・演技トレーナー・映画評論者の4つの顔を持つナイトメアシンジです。
今日、ご紹介するのは、1968年制作のアメリカのカルト宗教映画「ローズマリーの赤ちゃん」です。
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本国アメリカでは、1968年6月12日に公開。
日本では、1969年1月11日に公開されました。
(いわゆるお正月映画ですね)
ジャンルはホラー。
原作はアイラ・レヴィン。
(アイラ・レヴィンの小説はたくさん映画化されているが、中でも、「ブラジルから来た少年」はなかなか読み応えあり)
監督はこの映画「ローズマリーの赤ちゃん」でアカデミー賞脚色賞にノミネートされたポーランドが生んだ名監督ロマン・ポランスキー。
(1962年の映画「水の中のナイフ」でデビュー以降、様々な作品で賞を取っています。2010年映画「ゴースト・ライター」でも、健在ぶりをアピール。なかなかの佳作!)
主演は、これが銀幕デビューとなるミア・ファロー。
ローズマリーの線の細い役を好演しています。

(映画「ローズマリーの赤ちゃん」で全米映画批評家協会賞主演女優賞にも選ばれる。映画「ハンナとその姉妹」や「カイロの紫のバラ」など、その後の活躍はご存知の通り)
共演にジョン・カサヴェテス。
夫のガイを演じています。
(後に監督として、有名になります。1980年映画「グロリア」でヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞。なかなか渋いハードボイルド映画!また、1984年には、映画「ラヴ・ドリームス」でもベルリン国際映画祭で金熊賞受賞)
世話好きの隣人カスタベッド夫婦の妻ミニー役のルース・ゴードンはこの映画「ローズマリーの赤ちゃん」でアカデミー賞助演女優賞受賞。
(通常、あまりホラー映画はピックアップされないのに、映画「ローズマリーの赤ちゃん」は格調高いホラーだからかな)
上映時間は136分。
(ホラーにしてはやや長め。名将ロマン・ポランスキーだから致し方なし。許す)
では、カルト宗教映画「ローズマリーの赤ちゃん」のあらすじを紹介しましょう。
カルト映画「ローズマリーの赤ちゃん」あらすじ

アメリカ。ニューヨークのマンハッタン。若い俳優ガイと妻ローズマリーが古いアパートに引越して来る。
隣人は親切だが、おせっかいで詮索好きなローマンとミニーのカスタベット老夫婦。
カスタベット夫婦は、ガイとローズマリーを夕食に招待する。
ローズマリーは、カスタベッド夫妻と会うのは気が進まないが、ガイは徐々に親密な仲になっていく。
ミニーは、タニスの入ったペンダントをローズマリーにプレゼントする。
やがて、売れない若手俳優のガイに仕事がつくようになる。
夕食時、ミニーがデザートを持ってやってくる。
不味くて食べられないローズマリーに、ガイが食べるように強くすすめるので、
我慢して食べると、しばらくして、ローズマリーは目まいがして意識を失ってしまう。
その夜、ローズマリーは異様な悪夢を見る。
朝、目を覚ますと、ローズマリーの身体には無数の、ひっかき傷があった。そして彼女は妊娠する。その途端、カスタベット夫妻は産科医の指定をしたり、栄養があると称する飲物を毎日、ローズマリーに運ぶようになる。
しかし、日が経つにつれ、ローズマリーの身体は弱まっていき、顔色は悪くなっていく。
訪ねてきた育ての親ハッチは、このアパートの奇妙な噂や実際に起きた事故からローズマリーの身を案じる。
会う約束の日、ハッチは急に倒れ、しばらくして亡くなってしまうが、ローズマリーに”魔女のすべて”という古い本を残す。
ローズマリーはその本からカスタベット夫妻が悪魔崇拝者で、夫のガイも取り込まれたと気づく。
ローズマリーは生まれる我が子の安全のために逃げ出す決心をするが、失敗。
ローズマリーが、出産すると、皆から”残念ながら死産だった”と聞かされる。
傷心のローズマリー。だが、時折、隣室から子供の泣き声がすることを不審に思い、入っていくと、そこには、大勢の悪魔崇拝者たちが集まっていた。そして、驚くことにその中にはガイもいた。
黒づくめで十字架のついた、ゆりかごがローズマリーの目に映る。
ゆっくりと、ゆりかごに近づくローズマリー。
中にいたのは…。
カルト宗教の色々
映画「ローズマリーの赤ちゃん」の中で登場するのは、サタニズム。
実際に存在するもので、その名の通り、魔王サタンを崇拝する主義のこと。
このように世の中には、いろんな宗教が実在します。
(びっくり)
映画「ローズマリーの赤ちゃん」がカルト映画である理由
監督のロマン・ポランスキーは1969年8月9日に妻のシャロン・テートをお腹の赤ん坊とともに狂信的なカルト宗教信者だったチャールズ・マンソンらによって殺害されます。
(後に人違い殺人と判明)

この映画が呪われたカルト宗教映画だと言われる理由でもあります。
しかし、それだけではありません。
もう、カメラワーク、音楽、演出がとにかく怖い。
(じわじわくる)
もう、ロマン・ポランスキーがホラー映画を格調高いレベルまで押し上げています。
クライマックス、悪魔崇拝者の中にいるローズマリーの夫ガイの演出もいい。
大声出して、暴れたり、泣き叫んだり、地団駄を踏んだりしません。
ローズマリーがゆりかごに近づく時、すぐそばにいない。
演劇チックな過剰な演出をしないロマン・ポランスキー。0
凄すぎ。