映画『教祖誕生』は宗教を強烈に皮肉ったカルト映画

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ナイトメア・シンジ

大学時代に現劇団の前身「スパースターノイローゼ」旗揚げ。 1989年劇団「営業二課」設立。 1997年松竹シナリオスクール卒業。 フェニックス掌編文学賞入賞。 2009年8月から2017年2月まで中央林間カルチャースタジオ演技講師に就任。 現在は映画脚本、舞台演出、脚本、ラジオドラマ制作、リーディング講師など精力的に活動中。 演技指導はマンツーマンを基本に行っている。 日本劇作家協会会員。 劇団営業二課主宰。 横須賀まなび館演技講師。

【ナイトメアファミリー誕生秘話はこちらから】

今日、ご紹介するのは教祖誕生です。

カルト宗教映画「教組誕生」は1993年11月20日公開。

原作はビートたけし。

監督は北野武監督の下で助監督を務めていた天野敏宏。

北野組のスタッフが多く関わっている映画でもあります。

音楽監督は元チェッカーズのサックス、藤井尚之です。

(藤井尚之は2000年11月25日公開の浅田次郎原作の映画「天国まで百マイル」の映画音楽も担当しています)

上映時間は95分。

出演は最近では、プロ麻雀士でも有名な荻原聖人が、ひょんなことから教団に関わり、最終的には教祖に祭り上げられる高山和夫を演じています。

そして、教団の裏の顔で実はリーダー役、司馬大介役をビートたけし。

司馬に継ぐ教団のNO2で経理担当、呉役を同年1993年映画「僕らはみんな生きている」でアカデミー優秀助演男優を受賞している岸部一徳。

熱心な教団信者で、司馬とは常に対立している駒村哲次役をロックバンド「安全地帯」のボーカル玉置浩二が演じています。

初代教祖役は映画「男はつらいよ」シリーズの下条正巳。

(寅次郎のおいちゃん役で有名)

では、カルト宗教映画「教組誕生」のあらすじをご紹介します。

宗教を揶揄する日本カルト映画「教祖誕生」あらすじ

帰省途中、高山和夫はある新興宗教団体の布教活動を目撃、そのインチキ臭さに興味を覚える。

跡をつけるうちに、表向きは熱心な信者だが、裏では教団を牛耳る司馬大介の口添えで一行に加わることになる。

教団の中では、教祖を純粋に奉り、神への信仰を全うしようとする青年部の駒村たちと宗教活動を単なる金儲けの手段と考える司馬や経理担当の呉らはことあるごとに対立している。

司馬と呉は、酒びたりでお調子者で勝手な行動が目に余ってきた教祖を切れ金を渡し、教団から追い出してしまう。

司馬は苦肉の策で若い和夫を二代目の教祖に仕立てる。

とまどう和夫だったが、徐々に教祖の自覚が出て、断食や滝行を始めて、本物に教祖になっていく。だが、それすらも金儲けのイベントにしようとする司馬と駒村が激しく衝突。司馬は駒村を刺し殺してしまう。

司馬は警察に出頭、。

残った呉が教団を取り仕切っていこうとするが、和夫は呉を追い払い、新たに教団を続けていく決意をする。

5年後、刑期を終えた司馬は初代教組を従え、再び、街角に立ち、足を止める人たちに新たな布教活動を始めようとしていた…。

宗教映画「教組誕生」のどこがカルト映画なのか?

お布施の強要、サクラを用いた信者を増やす為の布教活動、教団上層部の洗脳など振興宗教の有様を強烈に皮肉っている。

日本中を震撼させた地下鉄サリン事件が起きたのは1995年。

その2年前にこの映画は公開されています。

教団内における激しい確執。

教組が次第に自分の力を過信し始め、カルト化してゆく様は、その後のオウム事件を思わせます。

また、劇中には印象的な台詞はいくつか存在します。

司馬が次第に自覚を持ち、断食や滝行を行い教組として目覚めていく和夫に言います。

”2週間、断食して、教祖になれるんなら、山で遭難した人はみんな教組じゃねーか”

司馬はそう言って、断食を決行している和夫の前でおにぎりを食べるのです。

(現実家と理想家を見事に体現)

また、こんなシーンもあります。

無事、断食を終え、本堂から身体を駒村に支えられながら、やっとの思いで降りて来る和夫を見て、司馬が呉に向かってボソっと言います。

”教組になると、どうして、みんな、ああなっちまうのかな”

(この台詞がすべての宗教の本質なのかも)

和夫のやり遂げた感、敬虔な面持ちでそれを見つめる信者たち。

(今となっては、笑うことすら出来ない)

藤井尚之の音楽はそれなりに効果的です。

カメラ・ワーク、演出に特出した点は見受けられません。

(残念ながら、ありきたりという意味に捉えてもいいです)

安心して見れる日本カルト映画です。

(二度見る映画ではありません)

信じる者は救われる。

いや、必ずともそうではない。

この映画はそういうことを教えてはくれる。

ある意味、カルトでしょ。

「映画『教祖誕生』は宗教を強烈に皮肉ったカルト映画」を最後まで読んで下さった皆様へ

皆さん、ホラー王子(ナイトメアリュウタ)の兄貴分。ナイトメアシンジです。カルト宗教映画「教組誕生」の記事を最後まで読んでくれた方にオススメしたい映画がありますのでコチラの記事も併せて読んでみて下さい→鈴木清順映画監督と日本カルト映画

(ナイトメア・シンジ)

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大学時代に現劇団の前身「スパースターノイローゼ」旗揚げ。 1989年劇団「営業二課」設立。 1997年松竹シナリオスクール卒業。 フェニックス掌編文学賞入賞。 2009年8月から2017年2月まで中央林間カルチャースタジオ演技講師に就任。 現在は映画脚本、舞台演出、脚本、ラジオドラマ制作、リーディング講師など精力的に活動中。 演技指導はマンツーマンを基本に行っている。 日本劇作家協会会員。 劇団営業二課主宰。 横須賀まなび館演技講師。

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