海外カルト映画『人生狂騒曲』はどうして劇場公開されなかったか?考えてみた

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ナイトメア・シンジ

大学時代に現劇団の前身「スパースターノイローゼ」旗揚げ。 1989年劇団「営業二課」設立。 1997年松竹シナリオスクール卒業。 フェニックス掌編文学賞入賞。 2009年8月から2017年2月まで中央林間カルチャースタジオ演技講師に就任。 現在は映画脚本、舞台演出、脚本、ラジオドラマ制作、リーディング講師など精力的に活動中。 演技指導はマンツーマンを基本に行っている。 日本劇作家協会会員。 劇団営業二課主宰。 横須賀まなび館演技講師。

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カルト映画「人生狂騒曲」は1983年3月31日にイギリスで公開された海外コメディ映画。

イギリスの喜劇グループ、モンティ・パイソンの4作目の映画です。(「モンティ・パイソン・アンド・ナウ」、「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」「ライフ・オブ・ブライアン」に続く)

この映画「人生狂騒曲」がモンティ・パイソン全員で制作・出演した最後の映画です。

映画「人生狂騒曲」の原題「Monty pythons The Meaning Of Life」には”モンティ・パイソンによる人生の意味とは何か?”という意図が込められてます。

また、この映画「人生狂騒曲」のキャッチ・フレーズは”神は6日間かけて天地を創造したが、モンティ・パイソンはたった90分でそれを台無しにした”というもの。

上映時間はは107分。ですが、「クリムゾン 老人は荒野をめざす」を17分の独立したショート・フィルムとした場合のみ、90分になります。

この映画「人生狂想曲」のみ日本では劇場未公開。

映画「人生狂騒曲」あらすじ

映画評論家兼、舞台演出家のナイトメアシンジです。
まず『人生狂騒曲』ってなに?という人のために【あらすじ】を紹介していきましょう!では、海外カルト映画「人生狂騒曲」のあらすじです。

映画は全7編のオムニバスで構成。

「クリムゾン 老人は荒野をめざす」
終身雇用と縛りつけられ、過酷な労働を強いられている老年老いたサラリーマンたちが反乱を起こす話。老サラリーマン達は、突如、海賊となって金融界街に逆襲、復讐を始める…というお話。(「未来世紀ブラジル」のテリー・ギリアムが監督。当初はパート5となる予定が、全体のテイストとあまりに違う為、本編とは別の扱い)

「出産の奇跡」
今、この瞬間に出産しようとしている妊婦を前にして、医者たちが病院関係者らにたくさんの高価な機械のデモンストレーションを始める…というお話。

とそして、ローマ・カトリック信者の男性が失業。帰宅後、妻やたくさんの自分の子達に、教会が避妊を禁止していることを説明、子供達全員を科学実験用に売る」と宣言。後半は「すべての精子は大事」という曲を踊るミュージカルになる…というお話。

「教育と成長」
性教育の授業を説明だけでなく、教師自ら実演するが、生徒たちは退屈でまともに聞いていない。生徒らは罰として、放課後、鬼と化した教師達とのラクビーの試合を強制される。それは、生徒達には残酷で暴力に満ちた恐怖のゲームだった…というお話。

「互いに戦いあうこと」
第一次世界大戦中のイギリス軍。戦闘中に、将校に誕生日プレゼントを渡し、次々に戦死していく部下。
ズール戦争では、将校たちが優雅に過ごしているが、夜の間に一人の将校が右足を噛み切られる事件が発生。軍医は虎の仕業だといいはるが…というお話。

「中年」
中世の地下牢風をイメージしたレストラン。観光客の中年夫婦がウェイターから会話のメニューが提示される。中年夫婦はメニューから“哲学と人生”を選ぶが…というお話。

「臓器移植」
あるユダヤ人の自宅に突然、二人の白衣姿の男が現れ、主人が”臓器移植”に登録していると言う理由で生きたまま、むりやり臓器を取り出す。続いて、その妻にも迫る…というお話。

「晩年」
超肥満な男が豪華なレストランにやってくる。男は次から次へと食事と飲み物を平らげるが、そのそばから全て嘔吐してしまう。平静に対応する支配人は男の食事の最後、小さなミントのウェハースを提供するが…というお話。また、「中年」に出てくるウェイターが人生について考察する…というお話。

「死」
死刑囚は自分で死に方を決められるという法律のもと、ある死刑囚はトップレスの美女の大群に追われ、崖から落ちるという選択肢を選ぶ…という話。また、死神が天国に人々を連れ去る過程を描く…というお話。

カルト海外映画「人生狂想曲」について語ろう

全編、ブラック・ユーモアたっぷりに7話オムニバス形式。

あらすじを読んだだけでも、現在の地上波では放映ムリそうなのわかりますよね。
もう、まさにカルト映画。(1976年にはテレビ東京で一時期、モンテイ・パイソンのTVが放映された。やるな。テレ東)

予告編も海外ならでは。
イギリスならでは。
カルトならでは。
出演者が画面の向こうからテレパシーで観客にアピールする予告します。
映像はなし。

(残念ながら、筆者はモンティ・パイソンのテレパシーを捕らえることに失敗。実力不足)

日本で臓器移植法が施行されたのは、1997年10月16日。
この映画が完成して14年後です。
(でも、生きたまま、無理やりは現在でも禁止です)

ローマ・カトリックを揶揄するパート、訴訟にならないんでしょうか?
(3作目は、あちたこちらで上映禁止になったらしい)

日本では宗教ネタはご法度。数々の芸能人が闇に葬られてきました。
(すいません。大袈裟に言いました。嘘です。絶対にそんなことはありません。日本には言論の自由があります)

そして、映画「ロンゲスト・ヤード」をより過激にした暴力教師による、生徒にとっては恐怖のラクビー試合。昨今の日本の教育事情、スポーツ界を取り巻く事件や図式や世論。
(これが、日本で作られたとしたら、背筋凍ります)

性教育の実習にはニヤニヤしました。
(性を笑ってすいません)

トップレス美女たちに追われて、崖から落ちるのは、この「人生狂想曲」で一番気に入りました。
(ある意味、理想の死に方かも。いや、美女だらけの満員電車で圧死の方がいいか…)

このカルト映画「人生狂想曲」には海外のユーモア感覚と日本人のユーモア感覚の大きな隔たりが見てとれます。

みなさん、ここは海外ではありません。差別やハラスメントと認識されないよう、日々、言論に注意しましょう。(訓戒)

このカルト映画なんと、「人生狂想曲」はカンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ受賞作品です。

懐、深い。

 

「海外カルト映画『人生狂騒曲』はどうして劇場公開されなかったか?考えてみた」を最後まで読んで下さった皆様へ

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