伝説の殺人鬼を描いた『ヘンリー ある連続殺人鬼の記録』は実はモンスター映画であるということ

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ナイトメア・シンジ

大学時代に現劇団の前身「スパースターノイローゼ」旗揚げ。 1989年劇団「営業二課」設立。 1997年松竹シナリオスクール卒業。 フェニックス掌編文学賞入賞。 2009年8月から2017年2月まで中央林間カルチャースタジオ演技講師に就任。 現在は映画脚本、舞台演出、脚本、ラジオドラマ制作、リーディング講師など精力的に活動中。 演技指導はマンツーマンを基本に行っている。 日本劇作家協会会員。 劇団営業二課主宰。 横須賀まなび館演技講師。

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今日、ご紹介するのは、アメリカ映画「ヘンリー ある殺人鬼の記録」です。

1990年シッシェス国際ファンタスティック映画祭グランプリ受賞
映画「ヘンリー 殺人鬼の記録」は1986年の作品で、シカゴ映画祭やボストン映画祭で上映されたものの、映画会社が意図していた「13日の金曜日」のようなホラー映画ではなかったことから、1990年までお蔵入りされていた、いわくつきの作品です。

映画「ヘンリー ある殺人鬼の記録」は実在の殺人鬼ヘンリー・リー・ルーカスを描いたスリラー映画です。

ヘンリー・リー・ルーカスとは?

ヘンリー・リー・ルーカス(Henry Lee Lucas, 1936年8月23日 – 2001年3月13日)は、アメリカ合衆国の連続殺人犯。全米17州で300人以上を殺害していると言われる。著名なシリアルキラーの1人であり、トマス・ハリスの作品に登場する連続殺人者、ハンニバル・レクターのモデルの1人。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

映画「ヘンリー ある殺人者の記録」

日本では1992年3月19日公開されました。
(オランダのサイコサスペンス映画「ザ・バニシング 消失」の公開記念で特別上映された。ここもカルト的)

上映時間は83分。

監督はこの映画「ヘンリー ある殺人鬼の記録」がデビューのジョン・マクノートン

(ケビン・ベーコンとマッド・ディロン主演のスマッシュ・ヒットのサスペンス映画「ワイルド・シングス」が有名。筆者は面白く観ました)

映画「ヘンリー ある殺人鬼の記録」はリチャード・フライヤーとジョン・マクノートンの共同脚本。

主演のヘンリーにマイケル・ルーター

画像出典元:ウィキペディア(Wikipedia)

(傑作SF映画「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」(2014~)の宇宙海賊ヨンドゥ・ウドンタ。スター・ロードことピーター・ジェイソン・クイルの育ての親役です)

映画「ヘンリー ある殺人者の記録」のあらすじをご紹介しましょう。

映画「ヘンリー ある殺人者の記録」あらすじ

ベッキーは夫の暴力に耐えかねて、兄のオーティスを頼る。
オーティスにはヘンリーという寡黙な同居人がいた。
ヘンリーとオーティスは刑務所で知り合ったらしい。

ヘンリーは14歳の時、虐待を繰り返していた母親を殺して服役していたとオーティスに聞かされるベッキー。

ベッキーもまた、実の父親に性的な虐待を受けていた。
3人の奇妙な同居生活が始まる。

次第にヘンリーに惹かれ始めるベッキーに嫉妬の感情を露にするオーティス。
ヘンリーもまた次第に”ある衝動”を抑えられなくなっていく。
ヘンリーは連続殺人鬼、シリアル・キラーだった…。

映画「ヘンリー ある殺人者の記録」が今だにネットをざわつかせる理由

(ネタバレあり)

映画「ヘンリー ある殺人者の記録」のキャッチ・コピーは
”彼はフレディではない。ジェイソンでもない。彼は本物だ”

感情と動機を排した殺人映画「ヘンリー ある殺人者の記録」

映画「ヘンリー ある殺人者の記録」には、
コケ脅し的残虐な殺しのシーンはありません。
大袈裟な音楽もありません。
ヘンリーも殺人衝動の標的の選び方も様々です。
映画は乾いたタッチで淡々と進んで行きます。

観る者に感情移入させない映画「ヘンリー 殺人者の記録」

ツマラナイ。
背筋を凍りつかせる傑作。

映画「ヘンリー 殺人者の記録」は観た人の意見が真っ二つに分かれる映画

ナイトメアシンジ
なぜなら、これは得体の知れないモンスター映画だからです。
人間は理解できないものを恐れ、排除します。
そして、冒頭から最後まで何の解決も見ない映画だからでもあります。

殺人者の殺人者の為の理屈

オーティスを殺しのパートーナーに誘うシーンがあります。
「殺すのなら、関係ない奴を殺せ。誰を殺したって、胸がスッとするのは同じだ」

不気味すぎる。

感情移入させないマイケル・ルーターの演技

演出家・脚本家・映画評論家・演技講師・リーディング講師・ナイトメアプロダクションCEO の6つの顔を持つナイトメアシンジ

一切の感情移入をさせないマイケル・ルーターの演技は素晴らしいの一言に尽きます。
何を考えているかわからない表情。
時折浮かべる意味のない笑み。

自分を全面的に肯定してくれたベッキーをも刃にかけたかのようなラスト。
ゴミを捨てるかのように道端に置かれる血のついた大きなトランク。

ドキュメンタリーを見ているかのような錯覚に陥らせるマイケル・ルーターの演技は見事。
実は押さえた演技は簡単なようで難しい。
喜怒哀楽の感情移入した演技の方が簡単。

映画「ヘンリー ある殺人の記録」

映画的な面白さには欠けるが、戦慄を覚えるのは確か。

観客をどこまでも突き放した映画です。

興味のある方はどうぞ。

次回は「クリーピー 偽りの隣人」をご紹介します。

”今宵も悪夢は世界のどこかで誰かが見る”

(ナイトメア・シンジ)

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大学時代に現劇団の前身「スパースターノイローゼ」旗揚げ。 1989年劇団「営業二課」設立。 1997年松竹シナリオスクール卒業。 フェニックス掌編文学賞入賞。 2009年8月から2017年2月まで中央林間カルチャースタジオ演技講師に就任。 現在は映画脚本、舞台演出、脚本、ラジオドラマ制作、リーディング講師など精力的に活動中。 演技指導はマンツーマンを基本に行っている。 日本劇作家協会会員。 劇団営業二課主宰。 横須賀まなび館演技講師。

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