「演技においてアドリブとは?そのコツ」

The following two tabs change content below.
アバター

ナイトメア・シンジ

大学時代に現劇団の前身「スパースターノイローゼ」旗揚げ。 1989年劇団「営業二課」設立。 1997年松竹シナリオスクール卒業。 フェニックス掌編文学賞入賞。 2009年8月から2017年2月まで中央林間カルチャースタジオ演技講師に就任。 現在は映画脚本、舞台演出、脚本、ラジオドラマ制作、リーディング講師など精力的に活動中。 演技指導はマンツーマンを基本に行っている。 日本劇作家協会会員。 劇団営業二課主宰。 横須賀まなび館演技講師。

【ナイトメアファミリー誕生秘話はこちらから】
”アドリブ”とは
ラテン語の”ad libitum”の略で”自由に”を意味する音楽用語です。転じて、芝居などで、出演者が台本にない無関係の台詞や演技を即興で挟むことを言います。

2019年3月26日に惜しくも、68歳でこの世を去った稀代の名優”ショーケン”こと萩原健一の伝説的テレビドラマ「傷だらけに天使」はアドリブ演技で有名な作品です。

(誰もが知るだろう急遽、手持ちカメラで撮影されたあのオープニングは、もはや宝。作曲は大野克夫、演奏が井上バンド)

[quads id=1]

「傷だらけの天使」とは?

「傷だらけの天使」は、1974年10月5日から1975年3月29日まで、毎週土曜日に日本テレビ系で放送された萩原健一と水谷豊主演の全26話のテレビドラマ。

舞台は東京

「エンジェルビル」いう名の雑居ビルの屋上に住む萩原健一扮する木暮修(こぐれおさむ)24歳と水谷豊演じるその弟分の乾亨(いぬいあきら)22歳は、探偵事務所「綾部情報社」に依頼され、調査員として様々な仕事をこなしてゆく…

スタッフだけでも凄い

監督は神代辰巳、深作欣二、恩地日出夫、工藤栄一。
脚本は市川森一、柴栄三郎ら。
撮影は木村大作。

萩原健一は後のBS12の特番インタビューで、”このドラマは、ほとんど台本らしい台本はなくて粗筋だけ決めてあった。『ここで浪花節をうたう』なんてト書きしかない。

だから毎週役者が考えた台詞を持ち寄って、撮影現場でぶつけ合いながら演ったんだけど、みんなノッテいて楽しかったな。

岸田今日子さんのアドリブは、特に面白かった”と「傷だらけの天使」について述べています。

アドリブは、センスが要求されるアクト(行為)

演出家・脚本家・映画評論家・演技講師・リーディング講師・ナイトメアプロダクションCEO の6つの顔を持つナイトメアシンジ

アドリブのコツについて、筆者も聞かれることがあります。

アドリブは、最も大事なのは”センスと言葉選び”です。ですが、共演者が居る場合、そこに”信頼”がないとうまくいかないことが多い。

コツはお互いの”信頼関係”なのです。相手が投げた球をきちんと受け止め、投げ返す。それが出来て初めて”アドリブ”が成立します。

[quads id=1]

2018年8月24日に公開された日本映画「検察側の罪人」のアドリブについて

(監督・脚本は原田眞人。主演は木村拓哉)。

松倉役の酒向芳は怪演!観る価値あり

嵐の二宮和也が新人検事でキムタクの部下沖野啓一郎を演じていますが、リサイクルショップでアルバイトをしている老夫婦刺殺事件の容疑者松倉重生を取り調べる沖野のシーンは圧巻の演技です。

二宮和也は「検察側の罪人」で日本アカデミー賞助演男優賞を獲得

23年前に起きた女子中学生殺人事件でも犯人ではないかと疑われている容疑者松倉を追い込む沖野。
(検察事務官の橘沙穂役の吉高由里子に舞台挨拶で”怖い”と言わしめた二宮和也の演技)

容疑者松倉の口をパッっと鳴らすクセを突然、マネしてみたり、「その辺で勝手に首つってくれ」と恫喝する台詞は台本にはない。

アドリブ演技のコツは
閃きを大事にする。
共演者や監督の信頼を得る。
台本を何度も読む。
(実はそれが一番大事。台詞の行間にアドリブのアイディアが隠されている) 
ナイトメアシンジ

ここまで、アドリブについてお話してきましたが、実は演出家の多くはアドリブを好みません。

筆者も同様です。(突然の”冷や水を浴びせる”発言すいません)

アドリブは諸刃の剣でもあります。すべてのアドリブがうまくいくとは限りません。

舞台で思いもかけない相手のアドリブに共演者が戸惑い、芝居が止まってしまうこともあります。つまらないアドリブが、映画や舞台のせっかくの雰囲気を壊すこともあります。突然のハプニングに対処するアドリブは歓迎しますが。

2017年9月24日、TVガイドのスペシャルインタビューにザ・ドリフターズの仲本工事が答えていることが興味深いので載せておきます。 

1977年から90年代後半まで月1回のペースで放送されていた「ドリフ大爆笑」について

”あれだけ、多くのコントをやっているので、ハプニングも多かったのでは?”と言うインタビュアーの質問に対しての仲本工事の答え。

”でもね、意外とハプニングは少なかったんですよ。なくすために稽古するんだから。稽古中に自分なりに考えて、動きやセリフのアイディアを出し合って、それをちゃんと台本に入れた上で本番をやる。アドリブに見えることも、ほとんど台本通りだった。というか、アドリブに見せて笑いを取るのが僕らの仕事だから”

志村けんもザ・ドリフターズの伝説の生放送番組「8時だよ、全員集合!」の中でアドリブと思われている部分の多くは、アドリブっぽく演じるように徹底的に稽古したものだったと答えています。

演出家・脚本家・映画評論家・演技講師・リーディング講師・ナイトメアプロダクションCEO の6つの顔を持つナイトメアシンジ

アドリブは難しい。

つまらないアドリブはゴミ。

「演技においてアドリブとは?そのコツ」を読んで下さった読者様へ

「演技においてアドリブとは?そのコツ」を読んでくれた方にオススメしたい記事がありますのでコチラも併せて読んでみて下さい→→洋画『ビデオドローム』は文字通り、ビデオになってカルト映画になった

”今宵も悪夢は世界のどこかで誰かが見る”

(ナイトメア・シンジ)

ABOUTこの記事をかいた人

アバター

大学時代に現劇団の前身「スパースターノイローゼ」旗揚げ。 1989年劇団「営業二課」設立。 1997年松竹シナリオスクール卒業。 フェニックス掌編文学賞入賞。 2009年8月から2017年2月まで中央林間カルチャースタジオ演技講師に就任。 現在は映画脚本、舞台演出、脚本、ラジオドラマ制作、リーディング講師など精力的に活動中。 演技指導はマンツーマンを基本に行っている。 日本劇作家協会会員。 劇団営業二課主宰。 横須賀まなび館演技講師。

【ナイトメアファミリー誕生秘話はこちらから】