映画『部屋The room 』を見ているなら、あなたは”相当な園子温好き”に違いない

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ナイトメア・シンジ

大学時代に現劇団の前身「スパースターノイローゼ」旗揚げ。 1989年劇団「営業二課」設立。 1997年松竹シナリオスクール卒業。 フェニックス掌編文学賞入賞。 2009年8月から2017年2月まで中央林間カルチャースタジオ演技講師に就任。 現在は映画脚本、舞台演出、脚本、ラジオドラマ制作、リーディング講師など精力的に活動中。 演技指導はマンツーマンを基本に行っている。 日本劇作家協会会員。 劇団営業二課主宰。 横須賀まなび館演技講師。

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今日、ご紹介するのは園子温監督映画作品の中でも、文字通り、評価が真っ二つに割れる衝撃の問題作部屋The room 」です。

(またまた、園子温。しかし、前回のレビューと、あながち繋がっていないわけではありません)

映画「部屋The room 」


画像出典:「Yahoo!映画」

1993年10月23日に公開されました。
モノクロ。上映時間は93分。
園子温初の35mm劇場用長編作品。

映画「部屋The room 」はサンダンス映画祭審査員特別賞を受賞。
ベルリン映画祭、香港映画祭、シンガポール映画祭など49の映画祭で紹介されました。

映画「部屋The room 」の出演者をご紹介

不動産屋の女性社員に洞口依子


洞口依子「ドレミファ娘の血は騒ぐ」
(洞口依子は1965年3月18日 生まれ。東京都武蔵野市出身。テアトル・ド・ポッシュ所属。身長は164cm。筆者には、映画「ドレミファ娘の血は騒ぐ」(1985年)黒沢清監督作品がイチ推し)

不動産屋を訪れる初老のコート姿の男に麿赤兒 


麿 赤兒「遥かな時代の階段を」
(麿 赤兒は、暗黒舞踏集団・大駱駝艦主宰。長男は映画監督の大森立嗣、次男は俳優の大森南朋。 筆者には、永瀬正敏主演林海象監督の濱マイクシリーズ「 我が人生最悪の時(1994年)や「遥かな時代の階段を(1995年) の刑事役が印象に残ります)

映画「部屋The room」は、このほかに出演者もいますが、ほぼこの二人の映画と言っていい作品です。

では、映画「部屋The room 」のあらすじもご紹介します。

映画「部屋The room 」あらすじ

帽子にロング・コートの初老の男が不動産屋を訪ねて来る。

部屋の条件として、「四畳半で日当たりが良く、見晴らしのいい窓があり、閑静な場所」。

不動産屋の女性社員は物件を幾つかリストアップして男と回るが、男はどれも気に入らない様子。

他の客の予約の時間があるからと女性社員は立ち去る。

男は殺し屋稼業で、追われる身だった。

男は翌日また、不動産屋に現ると、今日で部屋を決めたいと女性社員に申し出る…。

ここからはネタバレあり。

映画「部屋The room 」がどうして”最大の問題作”なのか?男が探していたのは、死に場所だったというオチは悪くありません。

この映画「部屋The room 」が最も評価が分かれる点は映像にあります。

粗い粒子のモノクロ。静かな画面。冒頭からロング・ショットの長回しが3分以上続きます。

ナイトメアシンジ

自宅で「部屋The room 」 のDVD を鑑賞する人は、“あれ?一瞬、一時停止なっているのでは?”と錯覚を起こすくらい画面に動きはありません。(実際は少しずつ動いているのだが)

電車の移動のシーンを台詞もなく、延々と写すシーンもあります。(ある種、ドキュメンタリー。見る者がまるでその場にいるかのように)

登場人物全員が囁くような小声で喋ります
ここまで来ると、もう意味がわかりません。実験映画です。”カッコいいとか、世界観が素晴らしい”と評価をされる方も多いようですが。モノクロ、スタンダード、シンプル、BGMなし。数少ない台詞。まあ、独特の世界観を醸し出していると考えれば、そうなのかも

とても、気に入ったところ

路地奥から通り過ぎる二人をカメラが捉える
殺し屋役の麿 赤兒と不動産社員の洞口依子が路地を歩くシーンの撮り方がいい。
そして、何より映画「部屋The room 」の洞口依子の芝居は印象的で素晴らしい
劇中で殺し屋役の 麿赤兒が「オレが気に入ったのは、あんたの目だ」という台詞もありますが、その通り。目力にインパクト あり。(モノクロで更に際立ちます。ヒロインに抜擢した園子温の力量に脱帽。園子温の女優を見る目は確か)

見終わって、なぜか電車の音が耳に残ります

ナイトメアシンジ
この映画「部屋The room 」以降、しばらく園子温は商業映画から(自らの意思ではなく)遠ざかります。

(園子温監督を追ったドキュメンタリー映画「園子温という生きもの」の中で、園子温自身がこの映画「部屋The room 」が原因だと述べているので間違いない)

心に余裕のある方、時間をもてあましている方、芸術家志向、なにかエキセントリックな映画を求めている方におすすめ。園子温の才能は垣間見れるが、筆者向きの作品ではなかったです 

次のレビューでも園子温を取り上げます。

本日はこれまで。

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”今宵も悪夢は世界のどこかで誰かが見る”

(ナイトメア・シンジ)

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大学時代に現劇団の前身「スパースターノイローゼ」旗揚げ。 1989年劇団「営業二課」設立。 1997年松竹シナリオスクール卒業。 フェニックス掌編文学賞入賞。 2009年8月から2017年2月まで中央林間カルチャースタジオ演技講師に就任。 現在は映画脚本、舞台演出、脚本、ラジオドラマ制作、リーディング講師など精力的に活動中。 演技指導はマンツーマンを基本に行っている。 日本劇作家協会会員。 劇団営業二課主宰。 横須賀まなび館演技講師。

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