あえて、ドキュメンタリー映画『園子温という生きもの』について述べてみる

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ナイトメア・シンジ

大学時代に現劇団の前身「スパースターノイローゼ」旗揚げ。 1989年劇団「営業二課」設立。 1997年松竹シナリオスクール卒業。 フェニックス掌編文学賞入賞。 2009年8月から2017年2月まで中央林間カルチャースタジオ演技講師に就任。 現在は映画脚本、舞台演出、脚本、ラジオドラマ制作、リーディング講師など精力的に活動中。 演技指導はマンツーマンを基本に行っている。 日本劇作家協会会員。 劇団営業二課主宰。 横須賀まなび館演技講師。

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今日、ご紹介するのは、ドキュメンタリー映画「園子温という生きもの」です。

ナイトメアシンジ
園子温率高くねー?とお嘆きのあなた、申し訳ありません。厄介なことにナイトメア・リュウタが園子温信仰者らしいです。
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映画「園子温という生きもの」は2016年5月14日 に公開

監督は大島新。(かの巨匠大島渚監督の次男)

画像出典元:www.iza.ne.jp

出演は、もちろん、園子温。映画「ヒミズ」(2011)の染谷将太と二階堂ふみ。

そして、私生活のパートナーでもある神楽坂恵など。

上映時間は97分。配給は日活。映画「園子温という生きもの」は、2014年6月に放映されたテレビ番組「情熱大陸 映画監督・園子温」(MBS )に収まりきらなかった部分をドキュメンタリー映画にした作品です。

大島監督曰く、「情熱大陸の24分という尺の中では、園子温という人物を充分に描き切れなかった。園子温監督は稀有な才能を秘めた珍奇な生きもの」

この映画「園子温という生きもの」はその追撮記録映画です。

映画「園子温という生きもの」は園監督の新作「ひそひそ星」と同日に封切りされました。

では、園子温監督映画「ひそひそ星」とは? 園子温監督が構想25年を経て完成させた傑作の呼び声が高いSFドラマ 。

園監督が1990年に書いた脚本と絵コンテをベースに、“絶滅種”と認定された人間の記憶にまつわる物語です。

そして、園子温監督のプロダクションの記念すべき第1作目。主演は神楽坂恵。

「ひそひそ星」の簡単なあらすじもご紹介

人類は大きな災害や自らの過ちのせいで激減してしまう。

やがて宇宙は機械に支配され、人工知能を持つロボットがその人口の8割を占めるようになり、残り2割の人間たちは”絶滅危惧種”に認定される。

アンドロイドの鈴木洋子は宇宙船で星々を回り、人間の荷物を届ける”宇宙宅配便の配達員“として働いていた…。

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映画「ヒミズ」と同じく福島でロケされた作品。
モノクロ。
映像美とモノローグの素晴らしさは圧巻。

映画「 園子温という生きもの」について

2015年、4本の映画は公開された園子温監督。

園子温ならではのフレーズが次々に飛び出します

”日本映画は王道の意識が高過ぎる。

映画はインターナショナルなものじゃなければならない”

(当時、日本よりも海外で評価の高かった園子温監督のホンネだろう)

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「人生は電気代じゃない」
(それは筆者にも解る)

自分のことを飛び抜けて異端ではないと言う園子温。
(充分、異端だと思う)

「時間がない。生きてすぐ死ぬ。」
(時間に対して大きなストレスと期待を感じる園子温節。後に出て来る田野邉尚人の言葉と照らし合わせるとよく理解できる)

ドキュメンタリー映画の醍醐味は普段、伝わらない被写体となる”人物の心の葛藤や想い”。どれだけ”その個人の内面をさらけ出させることが出来るか”に尽きる。

それとともに、想像だにしない映像もや画面からあふれ出すヒリヒリとした緊張感や被写体の無防備な一瞬を捉えることも醍醐味だと筆者は考えます。

この映画「園子温という生きもの」はそう言った意味では成功しているとは言い難い。

唯一の緊迫した場面は、園子温のアトリエでのシーン

キャンバスに絵の具を使い、手で殴り書きした絵をインタビュアーに”これいい絵なの?”と尋ねる園子温。

言いよどむインタビュアー。

園子温は言う。

”人間はいいとか悪いとかじゃない。書いて表現していくことがいいことなんだ”

インタビューアが口を濁さずに何か言葉を発していたら、この映画はもう少し違ったものになっただろう。

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しかし、この映画「園子温という生きもの」に見るべきシーンがないわけではないことも付け加えておく。

園子温という”映画ジャンル”に縛られない自分の作品への自負。
同じ映画監督の是枝裕和や河瀬直美について話すところは興味深い。
(もう少し、聞いてみたかったけど)

福島に住む住民が荒れ果てた土地を指差し、「”セイタカアワダチソウ”が生えているところは荒れている」というと、園子温は”黄色くてキレイですけどね”と感想を述べたり、プロダクション第一弾映画「ひそひそ星」について”いい映画になるかな?自信がない”と気持ちを吐露するシーンもある。

後にテレビドラマや映画になった「みんなエスパーだよ」に通じるだろう”童貞は全てが冒険なんだよ。高校時代デートした人間はオレのことはよくわからないよ”とう言葉もいい。

実家で見つかる中学生時代の映画鑑賞ノートも凄い。(ジョーズの原作小説まで読んでいるとは!筆者も読んだけど)

別冊「映画秘宝」の編集長田野邉尚人のインタビューが現在、日本映画界のフロント・ランナーで他の追随を許さない園子温を表現するに一番値する言葉だった気がする。

「園子温は1990年から93年までにブレイクしなければいけなかった。園子温を買っているプロデューサーもいたが、みんな金がなかった」

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ナイトメアシンジ

蛇口の水滴が落ちるシーンに執着する園子温。
(園子温フリークにはたまらないシーン)

chim上↑pomのエリイが園子温について語った言葉が言い得て妙。
「ものすごくまともで全てが狂っている」

2、3匹目の渋谷の忠犬ハチ公のシーンは撮り様によっては面白くなったろうが、オクラ入りになったかもしれないと考えるとアレが今の日本では精一杯なのかな。
(警察との揉め事は後が怖い)

園子温のソフト・ドキュメンタリー

”破壊の果てに面白いことが待っている”

これも園子温の言葉。

やれやれ、園子温はモノホンの革命家なのかもしれない。

興味のある方はどうぞ。

”今宵も悪夢は世界のどこかで誰かが見る”

(ナイトメア・シンジ)

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大学時代に現劇団の前身「スパースターノイローゼ」旗揚げ。 1989年劇団「営業二課」設立。 1997年松竹シナリオスクール卒業。 フェニックス掌編文学賞入賞。 2009年8月から2017年2月まで中央林間カルチャースタジオ演技講師に就任。 現在は映画脚本、舞台演出、脚本、ラジオドラマ制作、リーディング講師など精力的に活動中。 演技指導はマンツーマンを基本に行っている。 日本劇作家協会会員。 劇団営業二課主宰。 横須賀まなび館演技講師。

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