演技初心者はどんな本を参考にするべきか?

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ナイトメア・シンジ

大学時代に現劇団の前身「スパースターノイローゼ」旗揚げ。 1989年劇団「営業二課」設立。 1997年松竹シナリオスクール卒業。 フェニックス掌編文学賞入賞。 2009年8月から2017年2月まで中央林間カルチャースタジオ演技講師に就任。 現在は映画脚本、舞台演出、脚本、ラジオドラマ制作、リーディング講師など精力的に活動中。 演技指導はマンツーマンを基本に行っている。 日本劇作家協会会員。 劇団営業二課主宰。 横須賀まなび館演技講師。

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どんな本を参考にするべきか?という演技初心者の質問

これから、演技を学んでいこうとする演技初心者の方に”どんな演技入門本を読んだらいいですか?”と聞かれることがあります。

これは、とても難しい質問です。
色々な入門本があるからです。

精神論から入るもの、歴史から語り出すもの、体操から入るもの、メソッド重視のもの、独自の理論を展開するものなど。

筆者は演技初心者には”とりあえず、手に取ったものを読んでみたら”と答えます。
でも、それで終わりではありません。

なぜなら、すべてはそこから始まるからです。
本は例題に過ぎません。

“数学の参考書のように説明を理解し、実際に解いてみる”
本に書いてあるものを実際にやってみると、なかなか上手くいかないことがわかるはずです。

そして、疑問が出てきます。
どうして、上手くできないんだろう?
あるいは、上手く出来ているんだろうか?
これでいいんだろうか?

それを解決するには、誰かに見てもらうしかありません。

演技本がすべてではない

”答えが本の中にない”
これが演技の面白さであり、難しさでもあります。
”演技本は、サブ・テキストにすぎない”
というのが、僭越ながら筆者の答えです。

演技初心者は演技指導者に習うのが一番手っ取り早い。
(手前味噌な答えですいません)

演技初心者が直面する最も、厄介な問題があります。
それは、

”演技は数学のように答えがひとつでない”ことです。

演技の答えはひとつではないということ

さき えつやが「こえことばのレッスン2」(晩成書房)の中で、こんなことを書いています。

”現実の場面では、話す人の中には、話したいことの全体があらかじめあって、話す人は言葉をその場で瞬間的に選んで、言いたい気持ちに促されて、声言葉にするのです。この時、言葉を選ぶ判断は、話す人、聞く人の関係、状態、話の内容、その場の状況などによります。また、この状況は刻々に変化していて、判断に影響を与えます。この選択判断は、ほとんど瞬間的に行われますから、話す人が自分でも思いがけない言葉が飛び出してしまったと思う場合も生じます”

例えると、
こういうことです。

”今、あなたはネッシーが泳いでいるのを目撃しました。何と言いますか?”
(ネッシーはイギリスのスコットランドのネス湖で目撃された未確認動物の通称。現在では、ほとんどの人はいないと思っている。筆者はいて欲しいと思っている)

大部分の人は
『ネッシーが泳いでる!』と答えます。

さき えつやが言っているのはこうこうことです。

「ネッシー!」(叫ぶように)
「ほら、あれ!」(指で差して)
「なんか、泳いでる!」(慌てて、大きな声で)
「信じられない」(声を上擦らせて)
「先輩…」(あまりに驚いて、目線の先を促すように)

どれもネッシーを見て言っているのが判ります。
どれも正解。

後はその場にふさわしい演技なのかどうかです。
どうです?

演技の難しさと面白さが伝わったでしょうか?

ここで一本の映画をご紹介

「夕暮れにベルが鳴る」というスリラー映画です。
(最初の23分は面白い。クライマックスに”わっ!”と飛び上がりそうなシーンあり)

「夕暮れにベルが鳴る」は1979年のアメリカ映画。
日本では、1981年5月16日に公開されました。
上映時間は98分。

(2006年に映画「ストレンジャー・コール」という名前でリメイクされています)

監督はフレッド・ウォルトン。
(申し訳ない。1987年スリラー映画「エイプリル・フール」くらいしか知らない)

主演のジル役にキャロル・ケイン。

(もう少し、キュートだと感情移入しやすいのに、ここも残念。キャロル・ケインは1999年ホラー「オフィス・キラー」で主演しています。リストラを通告された地味なOLが会社の上司たちを次々と殺し、死体をコレクションしていくお話。監督は写真家シンディ・シャーマン)

警官クリフォード役でチャールズ・ダーニングが出演しています。

(1975年「狼達の午後」が有名。たくさんの映画に出演している名脇役)

では映画「夕暮れにベルが鳴る」のあらすじを簡単にご紹介します。

映画「夕暮れにベルが鳴る」あらすじ

ロサンゼルスの広い邸宅でベビーシッターのアルバイトにつくジル。邸宅の主人夫妻の外出後に電話のベルが鳴る。ジルは電話に出るが返事はない。

再び電話が鳴り、今度は男の声で「子供の様子を見たか」とジルに問いかける。驚いたジルは警察に通報する。逆探知の結果、その電話は家の中から、かけられていることが判明する。

警官クリフォードらが男を捕えるが、子供たちは無残な死体となって発見され、犯人は精神病院に収容される。

それから7年後。子供を斬殺した犯人が精神病院を脱走する…。

繰り返される不気味な電話が実は家の別の場所からかけられていると知った時、人はどんな表情をするか?

(映画「夕暮れにベルが鳴る」の中では、表情をじっくり映さず、音楽でごまかしている感あり。残念)

筆者はこのゾッとするシュチュエーションが大好きで、演技のレッスンでやってもらうことがあります。
実はこれが結構難しい。

想像していなかった時の人の表情。しぐさ、動き。
見ている人が違和感を感じない演技が出来るかどうか?
演技は奥深いでしょ?

”今宵も悪夢は世界のどこかで誰かが見る”

(ナイトメア・シンジ)

「演技初心者はどんな本を参考にするべきか?」を最後まで読んで下さった読者の皆様へ

皆さん、ホラー王子(ナイトメアリュウタ)の兄貴分で脚本家・演出家・演技トレーナー・映画評論者のナイトメアシンジです。

演技初心者はどんな本を参考にするべきか?を読んでくれた方にオススメしたい映画がありますのでコチラの記事も併せて読んでみて下さい→→サスペンスホラー『悪魔のような女』は知る人ぞ知るおすすめ古典洋画

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