演技と感情の出し方と練習について。たとえば、満島ひかり

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ナイトメア・シンジ

大学時代に現劇団の前身「スパースターノイローゼ」旗揚げ。 1989年劇団「営業二課」設立。 1997年松竹シナリオスクール卒業。 フェニックス掌編文学賞入賞。 2009年8月から2017年2月まで中央林間カルチャースタジオ演技講師に就任。 現在は映画脚本、舞台演出、脚本、ラジオドラマ制作、リーディング講師など精力的に活動中。 演技指導はマンツーマンを基本に行っている。 日本劇作家協会会員。 劇団営業二課主宰。 横須賀まなび館演技講師。

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脚本家・演出家・演技トレーナー・映画評論者のナイトメアシンジです。

みなさんは演技が上手い女優と聞いて、誰を思い浮かべますか?

樹木希林、大竹しのぶ、日本人以外なら、メリル・ストリープ、ナタリー・ポートマン、あるいはジェニファー・ローレンス?

みんな素晴らしい女優です。

筆者が一人上げるとすると満島ひかりです。

今回は、映画について語らず”演者”。
役者について語ります。

満島ひかりについて、少しお話しします。

満島ひかり

本名同じ。
満島ひかりは鹿児島県鹿児島市で産声を上げて沖縄県で育ちました。
沖縄アクターズスクール主催「安室奈美恵を目指せ!NEW・SUPER MONKEY’Sオーディション」で優勝。
(無料で通えると両親を説得したらしい)

満島ひかりは7人組ユニット「Folder」に「HIKARI」として参加、1997年にシングル「パラシューター」でデビュー。

「パラシューター」は10万枚以上のヒットを記録。
(後の「Folder5」ですな)

満島ひかりは「Folder5」の活動休止後、女優業に転向しました。

園子温監督の映画「愛のむきだし」で報知映画賞、ヨコハマ映画祭、毎日映画コンクールなど数多くの映画新人賞を受賞、頭角を現します。

(この映画の満島ひかりの演技は満身創痍。まさに傷だらけで熱演です。インタビューで本人も語っている通り、西島隆弘演じる本田悠が満島ひかり演じる尾沢洋子の新興宗教から洗脳を解こうとする場面。二人の言い合い、格闘の後、ぼーっと西島隆弘を見る満島ひかりの表情のナチュラルさ。これはもう演技というべきなのか自然体というべきか。素晴らしい)

2010年主演の「川の底からこんにちは」でヨコハマ映画祭主演女優賞とエランドール賞新人賞を受賞。
(映画「川の底からこんにちは」は石井裕也監督のデビュー作。元ご主人です)

映画『悪人』で第34回日本アカデミー賞 優秀助演女優賞を受賞。
(この映画は演技合戦というか、役者を志す老若男女に見て欲しい。 妻夫木聡と深津絵里はもちろん、岡田将生 樹木希林、柄本明の芝居です)

満島ひかりは映画「川の底からこんにちは」の演技も素晴らしいですが、特筆すべきは出番も少ないながらも優秀助演女優賞を受賞した映画「悪人」です。

満島ひかりは岡田将生演じるお坊ちゃま大学生、増尾圭吾に車から蹴り出され、 妻夫木聡演じる土木作業員清水祐一に殺されるOL石橋佳乃役。

岡田将生との車の中の会話のシーンの表情。妻夫木聡との路上での会話。どちらも感情の出し方が神がかっています。天才です。

日常生活において、誰でも自然に笑ったり、泣いたりできます。しかし、改まってこれを行うのは実はとても難しい。昔から芸道では”笑い8年泣き3年”と言う言葉があるくらいです。

感情の出し方が、どうして難しいのか?

普通我々は幼い頃から感情をコントロールする、抑制することを教わります。

”そんなに感情を剥き出すな”
生まれた時から自制されていることを解放するのは難しい。

また、”台詞に感情が入っていない”という言葉はよく聞きますよね。

自分では、上手く感情を込められたと思っても、”酔ってる、オーバーだ、紋切り型だ、ワンパターンだ”。役者は大変です。

演技の練習

ある感情を表す。
誰に?どんな風に?どんな時?

役者は満島ひかりの「悪人」に中の演技のように、とても短いシーンで強引に感情を揺り動かさなければいけないことも多々あります。

感情の出し方

極一部の天才以外はどうするのか?
練習しかありません。
反復です。
反復練習。

一番簡単なのは、過去の経験を記憶の引き出しから取り出し当てはめる。
多くの俳優は”感情の出し方”に、この”技術”を使っています。

では、経験がなかったら?
後は想像です。

想像して、その状況に身を置く。
そして、練習するのです。

また、困ったことに感情表現は常にストレートではありません。
言葉とは裏腹な感情、屈折した感情表現も出来なければいけません。
演技が上手い役者はこれらを平然と行うことが出来ます。

ただ、多くの役者がいきなり、(PLAY)やれるわけではありません。
皆、家や稽古場で反芻し、練習して初めて出来るのです。

役者の大変さ、難しさが皆さんに伝わったでしょうか?

演技に注目すれば、映画の見かたも変わる。

「演技と感情の出し方と練習について。たとえば、満島ひかり」を最後まで読んで下さった読者の皆様へ

皆さん、ホラー王子(ナイトメアリュウタ)の兄貴分で脚本家・演出家・演技トレーナー・映画評論者のナイトメアシンジです。

記事を最後まで読んでくれた方にオススメしたい映画がありますのでコチラの記事も併せて読んでみて下さい→映画『セーラー服と機関銃 -卒業-』の橋本環奈の演技と稽古

(ナイトメア・シンジ)

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大学時代に現劇団の前身「スパースターノイローゼ」旗揚げ。 1989年劇団「営業二課」設立。 1997年松竹シナリオスクール卒業。 フェニックス掌編文学賞入賞。 2009年8月から2017年2月まで中央林間カルチャースタジオ演技講師に就任。 現在は映画脚本、舞台演出、脚本、ラジオドラマ制作、リーディング講師など精力的に活動中。 演技指導はマンツーマンを基本に行っている。 日本劇作家協会会員。 劇団営業二課主宰。 横須賀まなび館演技講師。

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