洋画『ジョニーは戦場へ行った』は見た人にトラウマを植えつける映画かもしれない

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ナイトメア・シンジ

大学時代に現劇団の前身「スパースターノイローゼ」旗揚げ。 1989年劇団「営業二課」設立。 1997年松竹シナリオスクール卒業。 フェニックス掌編文学賞入賞。 2009年8月から2017年2月まで中央林間カルチャースタジオ演技講師に就任。 現在は映画脚本、舞台演出、脚本、ラジオドラマ制作、リーディング講師など精力的に活動中。 演技指導はマンツーマンを基本に行っている。 日本劇作家協会会員。 劇団営業二課主宰。 横須賀まなび館演技講師。

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脚本家・演出家・演技トレーナー・映画評論者のナイトメアシンジです。

今日、ご紹介する映画は、トラウマ映画洋画「ジョニーは戦場に行った」です。

トラウマ映画洋画「ジョニーは戦場へ行った」は、ダルトン・トランボが1939年に発表した反戦小説。
(第1次世界大戦で両手と両足、耳と眼、口を失い、15年近く生き続けたイギリス将校が実在したという事実をヒントに書かれた作品)

洋画「ジョニーは戦場へ行った」はベトナム戦争最中の1971年、トランボ自身の脚本・監督により映画化されました。原題は「Johnny Got His Gun」です。

原題の「ジョニーは銃を取った」という意味ですが、これはいわゆる戦争スローガン(第一次世界大戦時の志願兵募集の宣伝文句)の”ジョニーよ、銃を取れ!”を揶揄したタイトルです。

洋画「ジョニーは戦場へ行った」はアメリカ映画

本国アメリカでは、1971年5月14日に封切られました。
日本では、1973年4月7日に公開されています。
上映時間は112分。

カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ、国際映画評論家連盟賞、国際エヴァンジェリ映画委員会賞を受賞しています。

出演はジョニーことジョー役に映画「ラスト・ショー」のティモシー・ボトムズ。
(映画「ペーパー・チェイス」では筆者の大大好きな”TVシリーズ地上最強の美女バイオニック・ジェミー”ことリンゼイ・ワグナーとダブル主演もしています。ここ大事)

ジョニーの父親役に1976年映画「大統領の陰謀」、そして1977年にも映画ジ「ジュリア」でアカデミー助演男優賞を連続受賞するジェイソン・ロバーズ。

他にドナルド・サザーランドも出演。
(2017年第90回アカデミー名誉賞を受賞。それくらいたーくさん、映画に出ているすごい人)

ダルトン・トランボについて少し、話しておきます。

ダルトン・トランボは 1905年12月9日生まれ。
アメリカ合衆国の脚本家・映画監督・小説家。
アメリカで1940年代に巻き起こった”赤狩り”に反対したいわゆるハリウッド・テンの1人。

(赤狩りとは、政府が国内の共産党員およびそのシンパを、公職を代表とする職などから追放すること。第二次世界大戦後の冷戦を背景に、主にアメリカとその友好国である西側諸国で行われた)

(ハリウッド・テンとは、1947年にアメリカの下院非米活動委員会の聴聞会に証人として喚問されて証言を拒否し,議会侮辱の罪で起訴されて映画界から追放され,1950年に最高裁判所で有罪が確定して連邦刑務所へ送られた10人のハリウッドの映画人)

ダルトン・トランボは、
赤狩り迫害期にはペン・ネームも使用していました。

ダルトン・トランボの脚本の一部を紹介します。

ローマの休日 Roman Holiday(1953年)兼原案、イアン・マクレラン・ハンター名義
黒い牡牛 The Brave One(1956年)兼原案、ロバート・リッチ名義
ガンヒルの決斗 Last Train from Gun Hill(1959年)クレジットなし
スパルタカス Spartacus(1960年)
栄光への脱出 Exodus(1960年)
いそしぎ The Sandpiper(1965年)
フィクサー The Fixer(1968年)
パピヨン Papillon(1973年)
ダラスの熱い日 Executive Action(1973年)

びっくりしませんか?一部でこれ。
ダルトン・トランボはまさに天才。

では、そのダルトン・トランボが作ったトラウマ映画洋画「ジョニーは戦場へ行った」のあらすじをご紹介しましょう。

トラウマ映画洋画「ジョニーは戦場に行った」あらすじ

第1次大戦にアメリカが参戦、中西部コロラド州の青年ジョー・ボナムは出征し、ヨーロッパ戦線に送られる。

ジョーのすぐそばで砲弾が炸裂し、”重傷兵第407号”として、頭と胴体と性器だけが助かる。軍医長テイラリーは「もう死者と同じように何も感じない、意識もない男を生かしておくのは、彼から我々が学ぶためだ」と考え、”407号”ことジョーは陸軍病院に運ばれる。ジョーの脳裏を出征する前夜のことが駆け巡る。

ジョーと恋人のカリーンは残り少ない時間を寝室で過ごしたこと。出征の日、駅で涙を流し、必死に引き止めるカリーンを抱きしめ、ジョーは軍用列車に乗ったこと。テイラリーの命令で”407号”ことジョーは人目につかない場所に移されることになり、倉庫に運び込まれる。

自分には両手も、両足もないことに気づくジョー。絶望の中、ジョーは懐かしい少年時代を思い出す。
父は特別な釣竿を作るのが好きだったこと。ジョーが働くようになって、父が亡くなったこと。母が残された幼い子供達を前に気丈に振舞う母の姿。やがて、ジョーは自分には眼も鼻も口も顎さえもないことがわかり、愕然とする。

ある日のこと、ジョーは額に太陽の光を感じる。ジョーは野原で真っ裸で寝転び、日の光を浴びていた日のことを懐かしく思いだす。そして、ジョーは悪夢のような戦場での出来事を思い起こす。

その夜、ジョーは塹壕の中で悪臭を放つドイツ兵の死体を埋めていた。と、突然、砲弾が塹壕に突き刺さり、強烈な白熱が眼を覆った。それが最後だった。ジョー終わりのない暗黒の世界が始まった瞬間だった。

”407号”ことジョーもとに新しい女性の看護師がやってくる。その看護師はジョーのために涙を流し、小瓶に赤いバラを1輪活ける。季節は冬へと変わり、看護師はジョーの胸に指で文字を書き始める。M・E・R・Y。メリー・クリスマスと。ジョーの脳裏にクリスマスの楽しい思い出が去来する。夜ジョーの勤め先のパン工場は熱気が熱気に溢れていたこと。みんなでダンスを楽しんだこと。

父がジョーに言う。”何もいえないなら電報をうて、モールスだ。頭を使うんだ”ジョーが頭を枕にたたきつけているのを、繰り返し見る看護師はテイラリーを呼ぶ。頭を枕にうちつけるジョーを見た将校は「SOSのモールス信号です」と周りで見守っていた神父とテイラリーらに伝える。

将校がジョーの額に「君は何を望むのか…」とモールス信号を送ると、「外に出してくれ。人々にぼくを見せてくれ。見世物にしてくれ。できないなら殺してくれ」とジョーは答える。慄然とするテイラリー。軍はジョーについて”一切の他言”を禁じることにする。

看護師は、”殺してくれ”と訴えつづけるジョーを不憫に思い、肺に空気を送り込む管を閉じる。しかし、テイラリーがこれを止め、看護婦を追い出してしまう。ジョーのいる倉庫の窓は閉ざされ、黒いカーテンで覆われる。暗闇に取り残されるジョー。”SOS、助けてくれ、SOS、助けてくれ”声なき声でジョーはいつまでも叫び続ける…。

映画「ジョニーは戦場へ行った」は見た人にトラウマ与える映画

生きていても死んでいるようなジョニーの時間は白黒。
過去の楽しい思い出はカラーで描かれているこの映画は、見終わって、心に重く圧し掛かります。
ラスト、暗闇に消えていくジョニーの姿が眼に焼きつくはず。

手足がないため、はらいのけることもできないジョニーの身体をねずみが齧る。
自分に置き換えてみてください。
もう、トラウマです。トラウマ必死です。

ハリウッドに最も嫌われた男ダルトン・トランボは1976年9月10日に亡くなりました。

稀代の天才脚本家の唯一の映画監督作品が「ジョニーは戦場に行った」です。

トラウマ必死ですが、このトラウマ映画洋画「ジョニーは戦場に行った」は、トランプ大統領が”強いアメリカ”を思い描き、中国が戦力を拡大し、イギリスがEU離脱をもくろみ、韓国は日本から離れてゆく…

刻一刻と世界が悪い方、悪い方へと向き始めている気がする今日この頃、今こそ、見直すべき映画なのかも。

「映画『DISTANCE』(ディスタンス)は残されたカルト宗教信者家族を描く意欲作」を最後まで読んで下さった皆様

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